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サン=テグジュペリ『星の王子さま』世界観と感想|読めばきっと大切なことに気がつける

海外小説
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皆さん『星の王子さま』という小説を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

王子様の可愛らしいイラストを、見たことがある人も沢山いるでしょう。

「でも、どんな話なの?」

と、内容まで知らない人や、読んだけれどあまり覚えていない人も多いと思います。

この記事では読んだことがない人はもちろん、かつて読んだことがある人にも『星の王子さ

ま』の世界観と読みどころポイントをわかりやすく紹介します。

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『星の王子さま』の概要

  • 『星の王子さま』の作者、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは1900年フランス・リヨン生まれ。
  • 飛行機のパイロットであり小説家でもあります。
  • 1943年ニューヨークで出版された『星の王子さま』は、300以上の国と地域で訳され発行部数は2億冊を超え、今なお世界中で読まれています。
  • 他の作品には、『南方郵便機』『夜間飛行』『人間の土地』『闘う操縦士』などがあり、いずれもパイロットととしての経験が生かされています。
  • 第二次世界大戦中の1944年、偵察機の搭乗員としてコルシカ島の基地を発進したまま帰還することはなかった。
shogo
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作中に描かれる挿絵は、サン=テグジュペリ本人が描いているよ。

 

物語を読み始めると、優しいイラストが所々に描かれていて小説の世界に引き込まれるんだ。

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『星の王子さま』の読みどころポイント

みなさんが『星の王子さま』を読む楽しみを奪わないように、あらすじを細かくは語りません。

ここでは『星の王子さま』を読み解くうえで、押さえておきたいことを三つ紹介します。

まず主な登場人物たちと、物語の時系列。

そしてなぜこれほど多くの人たちに読まれ続けているのか、といった読みどころポイントを見ていきましょう。

『星の王子さま』の登場人物たち

『星の王子さま』には様々な人物たちが出てきます。

その登場人物たちには、生きていくなかで巻き起こる人間の欲望。

また、本当に大切なことが何かを学ぶためのメッセージが込められているのです。

主な登場人物たち

  • :砂漠に不時着したパイロット。子どもの頃に描いた絵をバカにされ、画家になるのをやめた。
  • 王子さま:とても小さな小惑星B612に住んでいた。星に咲く一輪のバラが大好きだったが、つれない態度が嫌になり星を飛び出した。
  • バラ:王子さまに対してつれない態度ばかりとる。
  • ヘビ:噛まれた者をもとの場所に戻すことができる。
  • キツネ:王子さまに大切なことを教えてくれる

王子さまが六つの星を旅して出会った欲深い人たち

  • 王様:人に対して権力をふりかざす。
  • 大物気どり:自分の褒め言葉しか聞かない。
  • 酒びたりの男:酒びたりになっていることを恥じながら、恥を忘れるために酒を飲み続けている。
  • 実業家:空の星を一つ一つ数え、自分が全て所有していると満足する。
  • 点灯人:小さな星に住み、一本のガス灯に火を灯したり消したりを繰り返す。規則のみを大事にする。
  • 地理学者:自分で場所を訪れて調べるのではなく、ただ人の報告を聞いてまとめるだけで実際の地理を全く知らない。

『星の王子さま』の時系列を理解する

次に出来事が起きた順番について確認しておきます。

それは『星の王子さま』は、話が起きた順番が少しだけ複雑だからです。

では、時系列を整理します。

  1. サハラ砂漠に不時着したパイロットの僕は王子さまと出会います。僕は飛行機を修理しながら王子さまが住んでいた星のことや、王子さまがする質問を聞きながら関係を深めていきます。
  2. そして、王子さまが僕と出会う前に旅してきた六つの星での出来事や、地球にやってきて経験したことが王子さまの回想という形で語られます。
  3. 再びサハラ砂漠に戻り、僕と王子さまは水を求めて井戸を探します。やがて王子さまは、大好きなバラを残してきた自分の星へ帰ると言います。悲しむ僕に、王子さまは生きていくうえで「本当に大切なこと」を教えてくれるのでした。

沢山の名言や教訓が物語に込められている

「この小説はなぜこれほど有名なの?」と思う人もいるのではないでしょうか。

それは『星の王子さま』には、生きていうえで大切なことがいくつも込められているからです。

「難しくはないの?」と不安な人もいるかもしれません。

けれど『星の王子さま』はとても読みやすく、絵本のような優しい文章で書かれています。

そして登場人物たちが発する言葉や、交わす会話のなかに、大切なメッセージが込められているのです。

ジュペリ自身が描く挿絵も素敵で、読み始めると物語に引き込まれます。

だからこそ世界中で、数多くの人たちに読み続けられているのではないでしょうか。

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『星の王子さま』の感想

『星の王子さま』には数多くの名言や教訓がでてきます。

そんな中から紹介するのは、私shogoの心にグッときた名言三つです。

この他にも沢山の名言が詰まっていますので、みなさんぜひ登場人物の言葉に耳を傾けてみてください。

そして自分は今、これらの言葉を読んで「どんな気持ちが湧いてくるか?」と、考えてみてはいかがでしょう。

今の自分と向き合える言葉の数々にハッとするかもしれません。

大事なことで忙しいと言ってはいないか

「大事なこと!」「おとなみたいな言い方だ!」『星の王子さま』37ページより引用

この言葉を読んで、まさしく自分のことだとドキッとしました。

子どもの頃は、ただ全力で遊び夢中で生きていた私。

しかし大人になるにつれて、「忙しい」と口にすることが多くなりました。

そういうときは大抵、「自分が自分が!」という気持ちになっています。

そして周りの大切な人の気持ちを置き去りにしていることに気づいていません。

本当に自分は大事なことで忙しいのか?

他にもっと大事なことをおろそかにしてはいないか?

たとえば友達や家族、恋人と過ごす時間を育んでいるか。

すぐそばに、もっともっと大事なことが沢山あるのです。

絆をつくる

「なつかせたもの、絆を結んだものしか、ほんとうに知ることはできないよ」『星の王子さま』103ページより引用

時間をかけて他人と接する。

そうして少しずつ関係を作り上げることで「絆」ができます。

「絆」ができると、その人と過ごした時間に思いをはせたり、心で繋がっていると感じることができるのではないでしょうか。

王子さまが言うように、星を見上げてその星のどれかに王子さまがいると思えば、星を見るのが楽しくなります。

大切な人のことを考えると優しい気持ちが溢れてきます。

「絆」をつくると、自分が目にしている世界の見え方が変わるのです。

みんなが「絆」をつくることができれば、きっと世界も変わるのではないでしょうか。

心の目で見る

「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」『星の王子さま』109ページより引用

大人になると数字や物の大小など、目に見えることだけを重要視するようになります。

たしかに目に見えることも大事かも知れません。

けれど「絆」をつくるには、想像力をもって生きることが必要です。

この想像力を働かせ、相手の気持ちになって考える。

そう、「心の目で見る」のです。

「絆」は目には見えませんが、心の目で見れば確かに存在すると気づきます。

『星の王子さま』はどんな人におすすめ

『星の王子さま』はこのような人におすすめです。

shogo
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  • 日々の生活に流されて生きている人
  • 生きていくうえで大切なことが何かを知りたい人
  • 子どもから大人まですべての人

『星の王子さま』は分かりやすい言葉と文章で書かれています。

ほんの短い時間があれば読むことができるでしょう。

しかし込められたメッセージは深く、今自分が置かれている状況や心境によって、感じ方が違います

いつの間にか毎日の生活に追われ、自分を見失いそうになっている人に、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。

終わりに|手元に置いて繰り返し読み続けたい一冊

『星の王子様さま』には、忙しい毎日でついつい忘れがちな生きていくうえで、本当に大切なことが書かれています。

しかし、この教訓を常に実践することは難しいことかもしれません。

だからこそ『星の王子さま』をよく目に留まるところに置いて「今、心がギスギスしている」と感じた時には、そっと手を休めてこの小説のページを開いてみてほしい。

きっと優しい心を取り戻せるはずだから。

読むたびに気づきがあり、そのときの感情に問いかけてくる言葉の数々。

ずっとずっと手元に置き、読み続けていきたいそんな一冊です。

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